方南町の家 /2019/木造3階建/住宅+アトリエ+店舗

©️コムラマイ

Y字路は、結びつく場所でありながら分かれる場所である 。都市 生活は選択の繰り返しの中で緊張感と心地よさを繰り返して偶 然性と凡庸性を行き来している 。 建主は、夫婦2人で奥様はシューズデザイナーであり 、アトリエ とショールームを含んだ建築を望んでいた 。奥様は自身の生活 の様々なエレメントを取り入れた靴を創り出すデザイナーであ る。故に自らの生活を顧客に演出する空間を求めていた 。なの で、この建築に展開される風景や動線の連続は職住近接ではな く職住混在のシークエンスを体感させることを可能としている 。 計画地は、Y字路に挟まれ、北側に神田川、公園、緑地が階段状 に重なり合ったダイナミックなスケールの劇的に豊かな風景が 飛び込んでくる場所である 。かつて基壇の上にあった邸宅が解 体され、敷地は南北半分に分筆され、北側に現れたのが今回の 計画地である。

アプローチから内部空間まで 、連続性と偶然性が続いているよ うに感じる、あみだくじ状の建築を計画が可能か 。建築内に動 線の選択が連続していく状態により自由に行ける動線とは違う 偶然の展開性を作りたいと考えた。Y字路で構成された、あみだ くじのような選択を日々 、建築の中で行うことは思ってもみな かった展開を生み出し 、生活の中に発見的な視点を生み出す舞 台としての住宅となる 。